東京地区とお墓の環境保全

東京地区では、市街化が進むなかで自然が失われ、緑地や特徴的な地形が少なくなっています。東京都では「東京における自然の保護と回復に関する条例」により、良好な自然地や歴史的遺産と一体になった樹林などを保全地域に指定し、都民の大切な財産として残しております。保全地域には、自然環境保全地域、森林環境保全地域、里山保全地域、歴史環境保全地域、緑地保全地域の5種類がありこれらの地域では、自然を損なわない範囲での利用はできますが、建築物や工作物の新築・改築や土地の形質を変更することは禁止されています。一方で、お墓に関しては、日本では火葬が一般的であり法律上は土葬も可能です。

土葬とは、遺体を棺に入れて土中に埋める方法や遺体を直接土中に埋める方法です。埋葬は古来から行われてきた伝統的な埋葬方法であり宗教的な理由や自然への回帰という考え方から選択する人もいます。しかし、納骨を行うためには、自治体の条例や墓地管理者の許可が必要です。また、埋葬に対応できるお墓は日本全国で数か所しかなく、そのため土葬を行うことは容易ではありません。

東京都では、墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例により都知事が土葬禁止地区を定めることができます。現在のところ、都心には土葬禁止地区はありませんが、火葬用の棺で遺体を埋めることも禁止されています。したがって、都心で土葬を行う場合は、専用の棺を用意して土葬に対応した墓地を探す必要があります。東京地区とお墓の環境保全は、自然と人間の共生を目指す重要な課題です。

火葬と土葬のそれぞれの特徴やメリット・デメリットを理解し、自分や家族の意思に沿った選択ができるようになりましょう。